ネガティブな先生

「痛ててっ…」
思わず声を出してしまった。
先月、再開したばかりのテニスの時勢い余ってフェンスにぶつかって転倒してしまい、どうやら肩をひねってしまったようだ。
それに、サーブなんてしたもんだから、余計肩を痛めてしまい、まさしくこれが五十肩なのかなぁと思う症状が続いていた。
自宅に帰ったついでに、大垣の「ナンバ整体院」へ。
ここはもう何年も前からカヌーで痛めた股関節や、仕事で痛めた腰や背中を治してもらっている治療院。
「先生!ちょっと痛すぎる!」
ここは、僕のように昔から色んなところの骨がズレる体質のカラダを、まっすぐにしてくれるには最適なところなのだが、治療がめちゃくちゃ痛い。
それでも、我慢して30分あっちこっち揉んでもらうと、ケロッと治ってしまうので三か月に一回くらいの割合で通っている。
 痛めた右肩をグキグキやりながらナンパ先生が
「座敷わらしって信じる?」
って聞いてきた。
はっきり言って、痛くてそんなことに答える余裕などない。
「僕は、そういうの・・・、基本的に信じま…、いてててっ」
今でもサンタクロースはいると思っている僕は、座敷わらしや妖精類はいると思っている。
というより、信じたい。
幽霊やお化け類は、絶対いないと思っている(いないと信じたい)。
「先生、どうしたんですか」
「いや、実は・・・、ここに座敷わらしが居るんや」
人のカラダをひねりながら話すような内容ではない気がするが。
「ここにですか」
聞くと、座敷わらしを見たわけではないが、気配がするらしい。
どうも朝、治療院に来てみると、誰かが居た気配がするし、先日入口のガラスが汚れていて、そこに小さな子供が指で書いたような落書きがあった。
ナンパ先生は外からガラスを拭こうとしても、全然消えなかった。
あれ?と思って、今度は内側から拭き取ったら、落書きが消えた。
「見た通り、この辺は問屋街だから、子供どころか人はあまり住んでいないんだ」
確かに、昔は問屋街としてにぎわったかもしれないけど、今はほとんどシャッターが閉まっているか、倉庫代わりに使っているくらいで、院の前を子供が通る感じではない。
ましてや、整体院に子供が入ってくることはないとのこと。
「絶対、座敷わらしや」
僕は、子供の幽霊じゃないのと思ったが、口には出さず
「座敷わらしだったら、その家は栄えるっていうじゃないですか。よかったですね」
とお世辞を言った。
子供の幽霊じゃなく、都合よく「座敷わらし」がここに住んでいると思うところが、ナンパ先生らしい。
「ここにバスで来るような『座敷わらし見学ツアー』とか考えとるのよ」
だって先生、座敷わらし見たわけじゃないんだし。
「絶対にいるんだわ」
企画をバス会社に持っていっても、採用されるとは思えないけどなぁ。
それよりも先生、真面目に治療でお金稼いだ方がいいんじゃないですか。

あっ、肩、上がるようになりました♪

by ozaken48 | 2014-12-24 19:06 | 日常な日々  

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